ステージトレーラーとは

ステージトレーラー 花鳥虹(かちょうこう)

『日輪の翼』の舞台はやなぎみわが制作した〈花鳥虹〉とよばれるステージトレーラーです。台湾で生まれ、2014年に美術作品として横浜トリエンナーレでお披露目されました。

 

台湾の移動舞台車
台湾独自の文化である舞台車はタイワニーズ・キャバレーとも言われ、照明・音響・カラオケ・スモーク等の機能を備えたレンタルステージです。日本の「デコトラ」と同じように、過剰な装飾や、派手な電飾が特徴。 閉じているときは普通のトレーラーですが、油圧によって展開し、一夜限りのステージが現れます。

荷台の背が持ち上がる独自の変形をし、 展開すれば光り輝く舞台が出現する移動舞台車は、タイワニーズ・キャバレーとも呼ばれるように、 照明・音響・カラオケ・スモーク等の機能を備えた、個人事業主が所有するレンタルステージであります。 少人数で運用できるので機動性も高く、地元の祭りや宴会、選挙運動などの際に、歌手やダンサー、芸人などとともに、台湾全土に出張公演を行っています。

 

やなぎみわの〈移動舞台車〉
台湾ではポピュラーな舞台車ですが、日本に初上陸した今回の〈移動舞台車〉は、日本に輸出するため、「トラック」ではなく「トレーラー」の仕様で製造された特注のものです。
トレーラーは「ヘッド」と「リアカー」という部分に分かれ、今回は「リアカー」を舞台として制作し、輸入、日本で「ヘッド」をつけて道路を走行します。 この「リアカー」部分だけで13トンにもなる〈移動舞台車〉は、油圧によって開閉します。二重になった可動部分は外側が天井、内側がステージになります。

電飾やミラーボールだけでなく、外部からの照明とプロジェクションを行う複合的な美術装置は従来の舞台車にはなかった初めての試みであり、台湾と日本のハイブリッド舞台車が誕生しました。 外装には、全ての異種配合の象徴である翼竜が描かれ、展開すれば中上健次作品に登場する架空の花「夏芙蓉」が光り輝く舞台となります。

 

2014年夏、台湾で生まれた移動舞台車を日本に初輸入。
ヨコハマトリエンナーレ2014新港ピア会場にて展示。
2016年6月より『日輪の翼』に描かれる遍路の旅に重ね、全国数カ所にわたる流浪の公演を開始。まだまだ旅は続きます。